大事な書類を送りたいけれど、ちゃんと配達してくれるか心配。そんな風に不安に思うことはありませんか?
郵便物の配達ミスがないとは限らないので、不安になるのは仕方のないことです。
では、大事な手紙や書類はどのように配送すればいいのでしょうか。こんなときに便利なのが簡易書留です。
「それなら知っている」「利用したことがある」という人もいるかと思いますが、実は以前とは出し方のルールで変わった点があります。
簡易書留とはどんなものなのか、ポストやコンビニから出せるのか、簡易書留をより早く配達してもらうための方法など、簡易書留に関する気になることをわかりやすくご紹介します。
簡易書留ってなに!?
書留とは、確実に目的の相手(場所)に届けるために特別な取扱いをすることで、『一般書留』と『現金書留』『簡易書留』の3種類があります。
簡易書留は、このなかの『一般書留』の取扱いを簡素にしたもの。主な特徴は、以下の通りです。
- 記録が残り、追跡確認で到着確認ができる
- 補償が付く
- 書留より安い料金
- 日曜・祝日でも配達
契約書や金融機関からの書類、入学願書、コンサートや旅行等のチケットなど、紛失すると困る重要な書類の配送に多く利用されています。
では、簡易書留についてより詳しく確認してみましょう。
記録と追跡確認で確実に届ける
簡易書留を利用する上で一番のメリットは、記録と追跡確認があることです。確実に先方に届けたと安心させてくれます。
記録をつけて配達を証明
まず『どこの郵便局でいつ引き受けた郵便物か』と『届け先の郵便局にいつ届いたのか』が記録されます。
無事に相手先に届けられれば、その旨も記録に残されます。
確実に相手に届いたということを郵便局が証明するというわけです。先方との間で届いた、届いていないといったトラブルも回避することができます。
以前は簡易書留を依頼する際、依頼者が手書きで台帳に依頼した旨を記録しなければなりませんでした。
しかしデジタル化が進み、現在はこのような記入は一切不要となりました。面倒な記入がなくなったのは嬉しいポイントですね。
追跡確認で安心度アップ
大事な郵便物は、先方に届くまで気が気ではありません。
追跡確認はそんな不安を払拭してくれるサービスで、簡易書留で出した郵便物がどの過程にあるかを確認できるようになっています。
ただGPSのようなものではないため、位置情報などはわかりません。
受先郵便局にあるのか、それともすでに移動中なのか、届け先郵便局から先方に配達される途中なのかといったことや、配達予定時刻がわかります。
これだけでもかなり便利なサービスですよね。
なお、この追跡確認を行うには簡易書留の『受領証』に記載されている『引受番号』が必要で、HPのオンラインサービスから調べることができます。
『受領証』は、簡易書留を出したという証明書でもあるので、配達が完了するまでは紛失しないように注意してくださいね。
不在配達はせずに手渡し
簡易書留は原則として手渡しです。先方が不在の際にポストへ投函して終わりということはありません。
例外として宅配ボックスへの配達は可能になりましたが、基本的には必ず届け先の住所にいる人物に手渡しをし、受け取りのサインをもらいます。
不在ならば、不在票を残して再配達となります。
万が一の補償
簡易書留をはじめとする『書留』が特別な取扱いだともっとも感じるのは、補償が付いている点です。
郵便物の紛失などのトラブルがあった場合には、5万円までの実損額が保証されます。
コンサートや旅行などのチケットの配送に簡易書留が利用されるのは、この補償があるという面がとても大きいです。
ただし、5万円以上の価値があるものを送る場合は、より補償額の多い『一般書留』を、現金を送る場合は『現金書留』を利用することになっています。
リーズナブルな料金で手軽に利用
簡易書留は、通常の郵便料金とは別に310円かかります。
定形の封書で通常82円で送れる郵便物を簡易書留にした場合は、合計金額の392円になるという計算です。
確実に届けてくれるという安心感をこの金額で得られると思うと、とてもリーズナブルですよね。さらに5万円までの補償もあるのですから、こんなにお得なサービスはありません。
日曜・祝日でも配達
簡易書留は、配達日に関しても特別な扱いを受けます。日曜日や祝日であっても配達しているのです。
一般郵便ならば週末にかかる場合は休日を挟みかなりの日数を見込まなければならないところですが、通常より早く着きます。
ちなみに、簡易書留は個別の住所ではなく局留めで送ることも可能なので、先方が留守がちな場合に利用すると便利です。私書箱宛にすることもできます。
書き方と出し方
では、簡易書留はどのように出すのでしょうか。
一般的な郵便物とは異なる扱いを受けるため、郵便物にもそれとわかる目印が必要になり、特例を受けるための手続きもしなければなりません。
特に出し方は重要なポイントになります。
書き方のポイントはただ1つ
簡易書留の書き方は難しくありません。
ポイントはただ1つ、『簡易書留』と赤で記入することです。一般的な郵便物と同様に送り先住所と宛名を書き、自らの住所・氏名を記します。
次に宛先面の左下に『簡易書留』と赤で記入、これだけです。『簡易書留』のスタンプも市販されていますが、それを使っても問題はありません。
専用の封筒はあるの?
特別な郵便物ということで、レターパックのように専用の封筒などがあるのではと思う人もいるようですが、簡易書留にはそのようなものはありません。
対象となる郵便物の大きさや形、重さなどは一般的な郵便物と同じ扱いになります。定形外になれば相応の料金が発生し、それに簡易書留の料金310円を加算します。
宛名の向きも、縦・横どちらでも構いません。
左下に赤で『簡易書留』と入れる、これを守れば大丈夫ですよ。ちなみに、後述しますが、赤字の記入をうっかり忘れてしまっても出すときの手続きでフォローできます。
出すときは窓口へ直接
簡易書留を出す際に一番注意するポイントが、出し方です。
結論から言うと、ポストやコンビニから出すことはできません。郵便局の窓口、この1択です。
これを間違えると、通常の郵便物としての扱いになってしまいます。理由は簡単で、証明書代わりになる『受領証』が発行できないからです。
必ず窓口で簡易書留の手続きを行ってください。
なお、料金は切手の貼付と窓口での支払いどちらでも大丈夫で、赤で『簡易書留』と記載し忘れていても窓口で受け付けた際にスタンプで対応してくれます。
コンビニから出すことはできるの?
前項で説明したように、コンビニから出すことはできません。
日本郵便と提携していて、店内にポストがあったり、切手などを販売したりしているところでも不可です。
面倒でも『受領証』の発行ができる郵便局へ出向いてくださいね。
最速で簡易書留を送る方法
重要な書類の場合は、1日でも早く届けたい事情があることも少なくありません。
日曜・祝日でも配達をする簡易書留は比較的早く配送される郵便物と言えますが、確実にもっと早く送る方法もあります。
速達で出す
簡易書留は窓口で依頼しなければならないため、ポストに投函するケースとは違って集荷までの時間がかかりません。
そのため、一般的な郵便物より早く発送できることになります。しかし、速達にすれば、より迅速に処理されます。
料金は?
速達は簡易書留とは別料金のため、『郵便物としての料金』+『簡易書留の310円』+『速達料金』という計算式になります。
なお、速達料金は以下の通りです。
種類 | 重さ | 料金 |
通常ハガキ・定形郵便 | 280円 | |
定形外郵便 | 1kg以内 | 380円 |
4kg以内 | 650円 |
速達で送るといつ届く?
速達の場合は、同エリア内や近県であれば翌日中、遠方でも翌々日には配達されます。
より詳しく知りたい場合は、郵便局やHPで確認すれば午前・午後といったことまでも知ることができます。
ゆうゆう窓口を利用する
通常窓口が閉まっている時間帯、例えば夜間や休日に手続きを進めることも可能です。
本局など、規模の大きい郵便局に設置されている『ゆうゆう窓口』は、土日や祝日、夜間も営業しているため、通常窓口の営業開始を待たずに手続きを済ませることができます。
ゆうゆう窓口から速達で送れば、週末であってもロスなく配送できるため、到着期限があるような郵便物でも安心です。
先方の都合によっては、ゆうゆう窓口のある局宛に郵便局止めで送るという選択もできます。
全国どこにでもあるというわけではありませんが、急ぐときにとても頼りになる存在です。
ちなみに、どこの郵便局にあるか知りたいときは、HPの『郵便局・ATMをさがす』から確認できます。
簡単・便利・安い・安心の『簡易書留』
日本郵政の職員による配達物の紛失や廃棄など信じがたい事件が起きたこともありますが、基本的には日本の郵便システムは高い信用度を誇っています。
加えて、簡易書留のような便利な制度をリーズナブルな料金で利用することができます。
手続きも簡単で、窓口に行けば大した手間もなく済ませられます。
大切な書類やチケットなどの換金性のあるものを送る場合は、手続きが簡単で便利、加えて安い料金で安心を得られる『簡易書留』を活用しましょう。